公園のベンチに
座って
夜の声を
聞いている
今日はずっと
待ちぼうけ
投げやりな気分は
夜空の向こうへ
電灯の下の
馬の遊具の溜息は
静寂の底へ
淋しい気持ちを
捨てにやってくる
あたし
独りぼっちを
抱きしめてる
夜の公園
透き通る
桜の花びらに
薄桃色の
淡い恋を想う
桜満開の空
みんな
ひとひら
ひとひら
恋をしている
神々しい
太陽も
紅に染まった
夕日も沈んで
月さえ見えない
雨の日は
あたしは
地球とキスする
緻密な木目を
私の指は
謎っている
想いを込めて
ゆっくり
ゆっくり
会いたくて
優しく
優しく
私よ
早く
出ておいで
静謐な水の底で
息をしているような
朝だった
身を潜める
貝になり
ポッツン
ポッツン
気泡が昇る
遠く遠く
鳥の囀り聴いて
目覚めた貝は
私です
生きてる貝は
私です
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